春の夢を見た

ツイッターで発狂しながら「いつか落ち着いたらブログに書くね」って言っていたんですけど、全然落ち着かないままなのでもうこのテンションで書きます。

 

f:id:amii_mimoza135:20180401165625j:plain

 

行ってきました、宝塚花組ポーの一族」千秋楽ライブビューイング!!

 

いや、宝塚に興味はありつつ機会がなくて(あとチケット高くて)行ったことなかったんですけど、地元の映画館でライビュ見れると知り、勢いでチケットとってしまいました。

しかも題材がポーの一族!!

萩尾御大の作品はトーマの心臓ポーの一族しか知らないにわかですが、これは宝塚でやるってTLでも話題になっていたので気になってたんです。

 

宝塚のことも、演者さんのことも何も調べず、前情報なしでバスに乗り映画館へ。

なめていたわけではなく、逆に「宝塚なんだからある程度クオリティ高くて楽しませてくれるのが当たり前だろう」という謎の安心感があったんです(なんとなくわかるひと多いんじゃないかな……)

 

劇場でパンフレットやブルーレイ、サントラも売ってるとのことだったのですが、それは見てみてよかったら買おう、と席についてぼんやり……待ち時間から何度も宝塚の他の公演の宣伝が流れること……隣に座った20代くらいの女性ファン二人組が「東京はひとりで行けるけど、大阪はひとといっしょじゃないとつらい、あと博多公演に行ったら主な劇場はコンプしたことになるんだけど悩む」(次回花組が博多公演なのだそうです)みたいな話をしていて、こんな田舎にもそんなに熱心なファンがいるんだなあと妙に感心してしまいました。

ちなみにわたしが最近見た舞台は戦国BASARAです、よろしくな!!

大阪は飛行機で直だからひとりでも行きやすいけど、乗り換えわかりにくいよね!!

 

そして始まったライブビューイング……明日海りお様のアナウンスで始まる……。

宝塚すごいなと思ったのが、背中は背もたれにつけて、とか細々した注意をちゃんとしてくれるところ。

さすが福利厚生がちゃんとしている。

 

結論から言います。

 

これ、やばいやつだ。

 

ハンドタオルで口元を押さえながら、わたしは硬直していました。

宝塚だからとか、ポーの一族だからとか、そんなことは吹っ飛んだ。

ただ、美の暴力。美がわたしに殴り掛かってくる世界。

美しいという力。

抗えない、と思いました。

 

明日海りお様のエドガーの美しさ。

歌のうまさ。

表現力。

 

ひたすら泣いていた。

そのとき、わたしの現実はそこにはなかった。

ただ、ポーの一族の悲しくも美しい世界に、没頭していた。

 

そして出会ってしまった。

 

アラン・トワイライト役。

柚香光さま。

 

なんて美しいひとなのか。

 

夢中になってしまうけれど、この時点でわたしは彼女の名を知らない。

 

ストーリーは原作から要所を抜き出しつつも、オリジナル要素も含んでいました。

なんかわけわからん霊能者とか出てきたし、娘役トップスターがエドガーの義理の母親役だったり、かなり宝塚としても攻めた結果なんだなあという感じ。

 

物語はエドガーが一族に加わるところから、メリーベル消滅、アランをエドガーが一族に加えるまで。

ラスト、ギムナジウムに転校してきたエドガーとアランが不敵に笑って終わります。

 

家族を失ったエドガーが、自分に残されたものは、と思い出すのはアラン。

家族に絶望したアランが、そのエドガーの手をとって、ひとならぬ道を歩むことを決意する。

 

エドガーの中には最愛の妹メリーベルを一族に加えてしまった後悔がずっとあって、メリーベルの「いっしょにいられることがしあわせなの」という言葉を、本質的にはきっと信じられていなくて。

それでも、ひとりきりで生きていくことがあまりにもさびしいという理由でアランを欲してしまう。

 

エドガーがアランに求めたものは救いで、一方アランがエドガーに求めたものは、逃避、だったんじゃないかなと思うと、この二人のわかりあえてない感じがとてつもなくツボで呼吸困難になりました。

 

これ、見たひとその後すぐに「春の夢」読んで欲しいな~~~。

 

 

 エドガーはアランに何を求めていたのか、何をもって救われていたのか、それは依存かもしれないけれど、生きるために必要なものだったのだとよくわかるエピソードです。

 

ポーツネル男爵夫妻の愛もよかった。

もとは人間だったシーラ。

シーラを望んで花嫁にした男爵。

ふたり、命果てるまでいっしょに、と誓ったとおり、いっしょに死んでいく。

 

シーラ役が娘役トップスターということもあり、衣装も豪華なら、指先までの演技もとても優雅。

 

男役×娘役というラブロマンスが成立しなくても、宝塚は十分に美しい。

そして骨太のストーリーに酔わせてくれる。

それがよくわかったお芝居でした。

 

美しい。

とにかく美しい。

 

そして、少し、悲しい。

 

こんな舞台にめぐりあえたこと、ライビュとはいえ見られたこと、ほんとうに幸運に思います。

 

ぼんやりしすぎていて、誰だかわからんジェンヌさまの卒業式まで見守った(しかも泣いた)結果、帰りのバスを逃してタクシー乗る羽目になったけど悔いはない。

 

帰りに売店に駆け込んで買ったパンフレットは展示品のみの残り1冊で、わたしはタクシーの中でブルーレイとサントラを注文し、柚香光さまについてスマホから必死に調べたのでした。

 

f:id:amii_mimoza135:20180401185650j:plain

 

美しい。

演技もダンスも素晴らしかった。

 

今月ね、推し若手俳優のイベントにも行って来たんです。

楽しかったし、ツーショチェキとかもめっちゃときめいた。

 

だから、それとは違う。

推しではないんだと思います。

推しではないけれど、わたしのこころのサプリメントになってくださる美しいお方。

 

つくづく思うのが、ひとを応援するのって楽しいということ。

ひとを好きになるって楽しいということ。

わたしはしあわせだなと思えるくらい、誰かを好きになれたことを嬉しく思うこと。

 

生活の張り合いが違いますよね。

意識が違う。

仕事もつらいし、生きてるのつらい。

でもあのひとに会いたいから頑張る。

これって最高にしあわせなことだと思います。

 

明日から新しい職場で働かないといけないわけですが、それを見越して今日もわたしは自分をなだめる。

好きなことを好きに楽しむのは、頑張ってからだと。

 

はあ、ほんとうにわたし、美しいものが好き!!