平和な終わりに向かって
退職届は案外あっさりと受理された。
上司や人事のところで留まっていた期間のほうがよほど長く、なかなかトップに報告できずにいたらしいのだが、トップは思いのほか「あら、そうなの、じゃあ仕方ないわね」的な反応だったようだ。
もしかしたら、薄々察していたのかもしれないが……。
無事に有給も(全部はさすがに無理だったが)使える予定になったので、あとは少しずつ残っている仕事を片付け、引き継ぎをすればよい。
引き継ぎって誰に何を。
まあ、いい。困るのはわたしじゃないから。
誰が見てもわかるように仕事の流れを文章にして残していこうかと思っている。
仕事にはやりがいと、それに伴う対価が欲しい。
考えてみたら当たり前の話だ。他の従業員のために働いているわけではない、もちろん助け合いは必要だけれど、自分のことよりも他のひとの目を気にするようになったら、絶対に心身ともに衰弱していく。
衰弱すると、パフォーマンスも落ちる。結果的に自分の評価も落ちるし、自信も失う。
次のところは初任給は今のところより1万円くらい上がるだけなのだが(基本残業がないらしく、残業代のぶんぶっちゃけ手取りは減ると思う)、毎年きちんと人事評価をして、見合った昇給を約束すると言ってくれたので、今のところの役職つかないかぎりは給料なんか上がりませんし、みたいなスタンスよりもずっとやる気が出る。
まあ、入職してみないとわからないことだけれど、頑張りたいと思う。
働いて、給料をもらって、それで何がしたいか。
ぼんやり考えてみたら、家が欲しいなと思った。
30代半ばになり、おそらくわたしはこのまま結婚しないだろうなという確信がある。
実家暮らしではあるが、我が家は借家だ。生まれたときから住んでいるので、あまりその実感はないが、いつかは出ていくときが来るだろう。
父は亡くなっているし、母と兄と三人で暮らしていくために、家を建てる、もしくは買うことを目標にしてみたらどうだろうかとふと思い付いた。
転職してしまうので、勤続年数はここで一度リセットされる。
ローンを組むときにひっかかる可能性がある。
3~5年、次のところで頑張って、お金がある程度貯まったら。
まだ夢みたいな話であるけれど、そのつもりで頑張ってみようかな。
というわけで、毎日それなりにいろいろ考えて生きている。
夜はちゃんと眠れているし、朝もちゃんと起きて仕事に行く、休日はウォーキングをしたり、本屋でうろうろしたりしている(わたしはこの世のどこよりも本屋が好きなのだ、ただし同人誌即売会はイベントなので別換算)。
健康になった、とほっとしている。
有給消化期間に入ったら、久しぶりに東京に遊びにいこうと考えている。
友達に会いたいのと、そういえば行ったことのない浅草をぶらぶらしてみたいのだ。
会えそうな方は連絡ください。>友人各位